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ぱどるさいと
SEIKO5沼

妬み嫉み

腕時計には全く興味が無かった。
私は腕が細いこともあって、流行りのデカい文字盤は似合わないという点が、腕時計に興味が無かった理由として大きい。

ましてや金ピカのでかい腕時計を着けている人を見ると、「この人とは仲良くなれそうにないな…」と思うだけで、「欲しい」とは思わないのが私という人間。嫉妬の可能性がとても高い。
金ピカのでかい腕時計が好きな人を攻撃したいワケではなく、あくまでもタイプが違う人間ということなんだと思う。

腕時計は自分のステータスを表す、いわばアクセサリーという説もある。ネックレスやブレスレットと同じだ。
派手な装飾が施されている腕時計は時刻の可読性が低いけれど、アクセサリーとして身に着けている人にとっては、多少は時刻が見づらくても構わない。

私はアクセサリーをあまり付けないタイプだから、私が腕時計を着ける理由は、あくまでも時間を知るため。
腕時計を選ぶ上では文字盤がシンプルであることは最低条件だ。腕時計は、安いものでいい。

初めての機械式に一目惚れ

ふと腕時計を買い替えようと考えていた時、「SEIKO 5」(セイコーファイブ)というブランドを知った。一目惚れとはこのこと。

SNK803K2SNZ447J1
SNK803K2 SNZ447J1

シンプルな文字盤の裏で、電池無しで時を刻んでいる。
電池で動くクォーツ式の腕時計しか使ったことがない私にとって、シンプルであり、かつ機械式という魅力をも兼ね備えていたセイコーファイブには、惹かれないはずがなかった。

セイコーファイブとは

セイコーファイブは、日本の腕時計メーカー「セイコー」が海外向けに生産している腕時計のブランド。
機械式(ゼンマイで動くため、電池が不要な腕時計)の割には安価であるのが特徴で、日本では逆輸入品として手に入る。安価なものでは1万円を切る価格で、高くても3万円ほど。
その手の出しやすさもあってか、日本にも根強いファンがいて、セイコーファイブにハマることを「ファイブ沼」と呼んだりする。カシオ製の安い腕時計にハマることを「チープカシオ沼」(チプカシ沼)と呼ぶこのと派生と思われる。

ブランド名に「ファイブ」が付くことの由来は、以下の5つの特徴を売りとしていることから。Wikipediaより。

要するに「丈夫な自動巻きで、日にちも表示」が、シリーズで一貫した特徴。
自動巻きとは、電池が不要な機械式の腕時計の中でも、手でゼンマイを巻く必要がないものを指す。本体が揺れることで自動的にゼンマイが巻き上がる。
毎日着用し続けていれば、腕の動きで自然と巻き上がるため、基本的に止まることが無い。しばらく着用せずに止まってしまった場合は、1分ほど軽く振ることで動き出す。

シンプルなのがとてもいい

1年間で、両手で数えきれない数を買い集めてしまった。
シンプルとは言え、ただ針が回っているだけでは寂しい。少しくらいは見た目に楽しいほうがいい。なんとも自分勝手な欲求をも満たしてくれている。

SNK623K1SNXG47K1
SNK623K1 SNXG47K1

この写真を撮るためだけに、スマホに取り付けるマクロレンズを買ったなんて。
フォーカスの位置がアレだけど、スマホでもこれだけの写真が撮れるんだから、すごい時代です。

唯一の不満点

そんなコストパフォーマンス抜群のセイコーファイブだけれど、不満点もある。唯一の不満点と言ってもいいけれど、それがかなり大きい不満。
それは、ベルト部分の安っぽさ。ネット上で購入者の感想を見てみると、ベルトを交換する事例がたくさん出てくる。
私は「このベルトも含めてセイコーファイブなんだ!」と少し拗らせて、そのままのベルトで使い続けていたけれど、やはりどうにも取り替えたくなってくる。それほどまでに安っぽい。

安価を実現するためなのかもしれないけれど、もう少しベルトは頑張ってほしいところ。

初めての機械式にオススメ

当然不満点もあるものの、機械式の腕時計に触れたことが無い人には、入口としてセイコーファイブはとてもお勧めできる。
「入口」と言っても、私はセイコーファイブが気に入りすぎて他の機械式に手を伸ばすつもりはないけれど、機械式がどんなものか使ってみたい人にとって、この安さはとても魅力なはず。仮に失敗しても、勉強代として我慢できるほど。

安さを理由に手を伸ばしてみて、徐々にこの「シンプルな機械式」を好きになっていって欲しい。